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2023.05.23 レース結果

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第2戦 レースレポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第2戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ

2戦 腕時計のベルモンドCUP(関東大会)

2023年514

埼玉県/ウエストポイント オフロードヴィレッジ

天候:曇り時々雨

気温:20

コースコンディション:ドライ(一時ウェット)

観客:3,283人(2日間)

 

2023年の全日本モトクロス選手権シリーズ第2戦が、「腕時計のベルモンドCUP」として埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催された。

今大会は変則的なスケジュールが用いられ、全日本格式となるクラスのうちIA1IA2、レディースは日曜日に予選と決勝をすべて実施するワンデー開催方式を導入。予選はタイムアタック方式となり、予選落ちライダーが発生するIA2のみ、タイムアタックで予選上位20名を決めた後に、10分+1周のラストチャンスレースで予選2130位を選出した。また決勝は、IA115分+1周の3ヒート、IA230分+1周の2ヒート、レディースが15分+1周の1ヒートとなった。

オフロードヴィレッジは、荒川と入間川の間に位置する河川敷のコースで、アップダウンがほとんどない土地に、コース幅が狭くジャンプとタイトターンが多めのコースがレイアウトされている。乾くとかなりのハードパックになる土質だが、今大会は前日から断続的に雨が降ったことで、土が多めに水を含みつつもマディにはならない、ベストに近い路面コンディションとなった。

Westwood MXは今季、全日本最高峰のIA1に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する富田俊樹選手(#1)と渡辺祐介選手(#3)、ホンダサポートチームの「Honda Dream Racing Bells」からエントリーする大城魁之輔選手(#4)と、プロモーションライダー契約を締結。また、昨年度のIA2クラス王者で今季は「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」から選手兼監督としてIA1のレースにフル参戦するジェイ・ウィルソン選手(#27)に、100%ブランドのゴーグルをサポートする。ただし、開幕戦決勝ヒート3で転倒負傷した渡辺選手は、今大会を欠場した。

さらにIA2クラスでは、カワサキのマシンを駆り「ピュアテックレーシング」からチャンピオン獲得を狙う西條悠人選手(#8)ともプロモーションライダー契約を結び、レース活動をサポートする。

IA1クラス ヒート1

ジェイ・ウィルソン選手(#27)がホールショット。初っ端からスパートをかけ、約5秒ものリードを奪った。富田俊樹選手(#1)は3番手、大城魁之輔選手(#4)は4番手で1周目をクリア。ウィルソン選手は23周目もリードを拡大し、早くも後続を約7秒引き離した。3周目、富田選手は2番手に浮上。翌周には大城選手が3番手に順位を上げると、56周目には富田選手と大城選手が僅差の2番手争いを展開した。レース後半、トップのウィルソン選手は独走状態。大城選手は富田選手を約1秒後方でマークすると、ラスト2周となった10周目に逆転した。そしてウィルソン選手が優勝、大城選手が2位、富田選手が3位となった。

IA1クラス ヒート2

ホールショットはジェイ・ウィルソン選手(#27)。ところが、1周目中盤でコースアウトを喫して、富田俊樹選手(#1)が2番手、ウィルソン選手が4番手、大城魁之輔選手(#4)が5番手で1周目をクリアした。それでも、ウィルソン選手は2周目に1台、翌周には2台を抜いてトップに浮上。この3周目、富田選手も2番手、大城選手も4番手に上がった。トップに立ったウィルソン選手は、徐々にリードを拡大。富田選手の背後にはライバルが僅差で迫ったが、レース終盤に2秒ほど離した。ラスト2周の10周目、三つ巴の3番手争いで大城選手が順位を落として5番手。レースはウィルソン選手が勝利し、富田選手が2位、大城選手は5位となった。

IA1クラス ヒート3

このヒートでも、ホールショットを奪ったのはジェイ・ウィルソン選手(#27)。富田俊樹選手(#1)は1周目3番手、大城魁之輔選手(#4)はやや出遅れて同6番手からのレースとなった。2周目、富田選手は2番手に浮上。この段階でトップのウィルソン選手とは約3秒差だった。このままウィルソン選手が逃げ切るかに思えたが、このヒートでは富田選手もウィルソン選手と互角の走りをみせ、47周目にかけてウィルソン選手と富田選手のギャップは約4秒に保たれた。大城選手は、4周目に5番手浮上。レース終盤、上位勢はそれぞれ34秒差で淡々と周回を重ね、ウィルソン選手が優勝、富田選手が2位、大城選手が5位となった。

IA2クラス ヒート1

西條悠人選手(#8)は、タイムアタック予選でまさかの組別11番手に終わり、ラストチャンスレースをトップでゴールして予選21番手から決勝に臨んだ。有利なスターティンググリッドを選択できなかった西條選手は、スタート直後に上位を確保できず、1周目18番手からのレース。しかも、このヒートのスタート直前から雨が降りはじめ、数周後にはかなり雨粒の量が多くなったことで、前走車が巻き上げる泥に視界を遮られ、追い上げが厳しいコンディションとなった。そして西條選手は、まさかのポイント圏外となる17位でレースを終えた。

IA2クラス ヒート2

再び21番目にスターティンググリッドを選ぶことになった西條悠人選手(#8)は、ヒート1と同じく1周目を18番手でクリアした。ヒート1は路面コンディションが一時的に悪化したが、このヒート2はベストな状態。西條選手は序盤から積極的な追い上げをみせ、2周目には13番手に順位を上げた。翌周には、ライバルとのバトルでひとつ順位を落としたが、上位勢の脱落などで5周目には一気に11番手まで浮上。その後も追い上げを続け、9周目には9番手となった。しかし追い上げはここで止まり、20周のレースを西條選手は9位でフィニッシュした。

ジェイ・ウィルソン選手(#27)ヒート1=優勝/ヒート2=優勝/ヒート3=優勝

「プレッシャーを感じながらも、開幕戦に続いて3連勝できました。ただし、富田俊樹選手が復調してきているので、次戦以降はさらに厳しい戦いになると思います。今回は目まぐるしく天候が変化する状況だったので、100%ゴーグルに関してもさまざまな準備を施しました。普段はダークレンズを好んで使いますが、今大会は曇天で暗いときも多かったので、ダークレンズ以外にブルーレンズも用意。実際、ちょっと明るかったヒート2以外は、ブルーレンズで走りました。また、メカニックのバックパックには、ロールオフ仕様のゴーグルを用意しておくなどの準備もしました。ティアオフも、いろいろこだわって準備しましたが、3ヒートともいいスタートだったし、IA1の間は降雨がなかったので、それほど使わずに済みましたけどね」

富田俊樹選手(#1)ヒート1=3位/ヒート2=2位/ヒート3=2位

「今年からマシンが新型になり、開幕戦を走ってみて初めてわかることもありました。その課題に対して、この1ヵ月間でチームがしっかり取り組んで、改善に努めてくれたことが大きかったと思います。今大会でも、走行を重ねるごとに得るものがあり、ヒート3は自分のベストに近い走りに、だいぶ近づいてきた感覚がありました。マシンに対する信頼度が増して、ようやく『レースをしている!』という気持ちになれました。天候不順なレースでしたが、100%ゴーグルに関してはいつもとほぼ変わらない準備で、ヒート1とヒート2はラミネートのティアオフを2セット、ヒート31セット装着しただけでした。もちろんジェイ・ウィルソン選手は速いですが、自分がその連勝を最初に止めます!」

大城魁之輔選手(#4)ヒート1=2位/ヒート2=5位/ヒート3=5位

「開幕戦と似たような結果でしたが、開幕戦後に取り組んできたことについては、成果も表れていたと思います。具体的には、コーナリングのスピードやスタートの精度を磨いてきましたが、とくにヒート1はそれが活かされていたと思います。ただしヒート2とヒート3は、序盤にスイッチが入るまでの遅さなど、違う課題が浮き彫りになりました。速くなるためには課題と克服の繰り返しだと思うので、前向きな気持ちで取り組んでいきます。今年から100%ゴーグルを使わせていただいていますが、今回もそれほど特別な準備はせず、ラミネートのティアオフを2セットと、スタート用に通常のティアオフを1枚装着して臨みました。ただし、いつもはスモークレンズですが、今回は途中で暗くなる心配もあったので、レンズはクリアを選択しました」

西條悠人選手(#8)ヒート1=17位/ヒート2=9位

「そもそもタイムアタックは得意なほうではないのですが、それにも増して予選ではうまくバイクに乗ることができませんでした。その結果、予選は21番手。案の定、決勝ではスタートで苦しむことになり、ヒート1は雨の影響もありうまく追い上げられないまま終わってしまいました。ラミネートのティアオフを3セット装着して臨みましたが、途中でまさかの強い雨となり、足りませんでした。ヒート2は、サスセットも少し変更。同じくスタート直後は苦戦しましたが、ヒート1と比べればレース序盤に順位を上げることができ、なんとかトップ10圏内という内容でした。自分の中で走りは悪くない感じがあってこの順位というのは、単純に実力不足ということ。悔しいですが、次回は地元大会。気持ちを切り替えて、頑張ります!」